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日本の岐路を考えるー高坂正堯著「文明が衰亡するとき」

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(高坂正堯著「文明が衰亡するとき」、新潮選書、1981年)

 このお正月の街頭演説の合間に、高坂正堯著「文明が衰亡するとき」を読み返しました。

 私が社会人になった翌年の1981年に出版され、私の持っている本は82年発行の初版12刷です。

 大蔵省の3年生になって経済理論研修を受けている時に読んだ記憶があります。

 その後、92年の12月に松下政経塾の勉強会で直接、高坂先生からお話をうかがう機会がありました。その時の先生の資料が本の間にはさんであったのを、今回発見して懐かしく思い出しました。

 ローマ、ヴェネツイア、アメリカを題材に「文明の衰亡の現象」をテーマに書かれた本です。

 ローマ、ヴェネツイアは既に衰亡した国ですし、ギボン著「ローマ帝国衰亡史」をはじめ先学の分析も多いです。また、近年では塩野七生さんの著書も文庫本で手軽に読めますから、衰亡の理由は語り尽くされている感があります。

 アメリカに関して高坂先生が分析した70年代は、ベトナム戦争の敗北以降アメリカが衰退していく過程でした。それでも、高坂先生は、このままアメリカが衰退していくことはなく、ローマ帝国がそうであったように、これからまだ何度も浮き沈みがあるだろううと的確に予想されています。

 また、この本の中で、ローマクラブの「成長の限界」レポートが大きく取り上げられているのも隔世の感があるとともに、40年経った今も同じ課題を突き付けられている不思議を感じます。

 高坂先生は、日本やヴェネツイアのような通商国家は「偽善」と「狡猾」に陥りやすく、変化に対する対応能力をが弱まる時が、衰頽の時であると結論づけています。

 17世紀のヴェネツイアが衰頽した理由は、成功したやり方を変えることができなかったこと、つまり守旧的性格が社会に蔓延したことだと。

 ガレー船を帆船に変えられなかったこと、地中海航路に固執しアフリカ回り航路に進出しなかったこと、高い賃金、重い税金やギルドの存在によって毛織物産業が国際競争力を失ったこと、すなわち「自由で開放的な体制から規制と保護の体制への変化、柔軟性の喪失と硬直化」が原因だと解説します。

 今の日本が陥りつつある状況によく似ています。

 アベノミクスやその背景にある自民党のバラマ財政体質には、高度経済成長の頃の日本への郷愁とこだわりが感じられます。

 2014年度予算案は、「いつか来た道」を再現しようとしています。

 安倍内閣の歴史認識も「古き良き時代」への復古主義以外の何ものでもないと思います。個人の思いとしてはともかく、政府の取るべき立場ではありません。

 人口が減少し、少子高齢化した21世紀の日本社会は、過去を振り返らず、新しい変化に柔軟に対応することを求められています。

 身の丈にあった社会保障制度の確立と規制を無くすための小さな政府の実現が重要です。そしてのことは財政再建によって、子どもや孫たちの負担を減らし、かれらの活力を生かす道につながります。

 高坂先生が今の日本をご覧になったとして、何とおっしゃるか?聞いてみたいと思います。


※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「日本の岐路を考えるー高坂正堯著「文明が衰亡するとき」(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54696541.html)」

民主党の進むべき道ーその1

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 2014年がスタートしました。2月8日、9日には民主党大会が開催されます。

 今、民主党の支持率はどん底で、国民からの期待感はまったくありません。しかし、今年で18年目に入る政党として、これまでも幾多の試練を乗り越えてきた政党として、もう一度、再起を賭けて勇気ある一歩を踏み出すべきです。

 今後の民主党の進むべき道について、シリーズで私見を述べてみたいと思います。

1。民主党の立ち位置

 タカ派色を鮮明にしている自民党政権に対して、民主党の立ち位置を明らかにしなければ国民の支持を得られないことは明らかです。

 1998年綱領にあった「民主中道」の理念を再確認すべきです。

 この言葉の持つ意味は重いのです。1996年に民主党が立ち上がった後、いわゆる保守リベラル、市民リベラル、社民リベラルの三つのグループが合流したのが1998年です。

 その際の理念や政策の違いをすり合わせるのには長い時間と大きなエネルギーを必要としました。その結果生まれた言葉が「民主中道」です。

 タカ派の保守政党に対して、いわばハト派の保守政党としての立場を明らかにすることで、国民に選択肢を持っていただけます。そのために党内のコンセンサスをつくっていくには「民主中道」の旗が重要です。

 2012年綱領を改正して「民主中道」の政治理念を再度書き込むことを提案します。

(注)ブレアが長く政権を維持し得た理由は、本来労働党の強い支援者である層を固めたからではな  く、「左派・右派のレッテルの単純さを信用しない中道的有権者たちの大規模集団」の支持を集めた  からです。
 同じように、サッチャー首相が長年政権を維持したのも、保守党主流派と異なり、戦後の福祉国家 路線を否定し、労働党に幻滅していた「左派・右派のレッテルの単純さを信用しない中道的有権者たちの大規模集団」に直接アプローチしたからです。
 民主党の課題も、日本の「左派・右派のレッテルの単純さを信用しない中道的有権者たちの大規模集団」の支持を得られるかどうかということに集約されます。

2。政策のバックボーン

(1)社会の連帯を強め、政府への依存を減らす

 イギリスのブレアが政権を奪回するために打ち出した「第三の道」の基本コンセプトは「社会的公正と経済効率性の両立」です。私たち民主党も同じ哲学で政策を考えてきました。「経済的な安全保障と富の分配」だけではない「競争と富の創出」や、「がんばった人が報われる社会」への明確な政策転換は民主党の基本政策でした。

 私たちが政権担当時に推進した、教育や子育てを重視するチルドレンファースト、すべての市民に居場所と出番をもたらす「新しい公共」など消費者、納税者の立場に立った政策の流れは間違っていないと思います。

 最も重要なことは、社会の連帯(community solidarity)を強めるために市民の力を強くし、公益法人、NPOや地域の自治会、消防団など各種の中間団体を育てていくことです。

 ニール・ファーガソン教授が、イギリスやアメリカの市民社会の停滞の要因として、慈善団体などの中間団体の衰退をもたらした「国家の過剰なうぬぼれによる」政府の市民社会への侵害を指摘しています。

 新生民主党は「民間主導の取り組みを増やし、国家への依存を減らすこと」を目標にすべきです。

(2)「開放」か「閉鎖」か

 今の日本は、どうしても内向き志向になりがちな雰囲気があります。戦後、日本が発展を遂げていく過程では「国際化」が国を挙げての目標であったことと大きな違いです。

 国際的な政治や経済の構造が大きく変わろうとする今こそ、変化への柔軟な対応が求められていますから、私たちは、歯を食いしばって「開放」路線を選択しなければなりません。

 その判断をすれば、TPPや移民問題にも共通の方向性を見いだすことが可能になります。

 ブレアの「第三の道」も、グローバリゼーションを肯定しました。保護主義は合理的でないし、世界が分断される結果になるからです。そして、コスモポリタンで多文化主義の国家を目指しました。

 新生民主党は、経済、政治、文化などの面において、「開放」路線を選択すべきです。


 

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「民主党の進むべき道ーその1(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54696784.html)」

民主党の進むべき道ーその2

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2。政策のバックボーン
(3)積極的平和主義にどう向き合うか

 安倍内閣が打ち出した「積極的平和主義」の定義が明確ではないが、外交安全保障のブレーンである北岡伸一国際大学学長の説明によれば以下の通りです。

 積極的平和主義とは、「50年代からの政府開発援助、92年からの国連の平和維持活動(PKO)への参加、その後の人間の安全保障概念による世界の貧困の克服などへの貢献をさらに充実させ、しかも日本単独ではなく国際協調の枠組みで行うこと」だと。

 積極的平和主義がそのようなものだとすると、民主党として反対する理由はないことになります。

 昨年12月4日に発足した国家安全保障会議(日本版NSC)は民主党政権時代に設立を閣議決定していたものであり、民主党は法案に賛成しました。

 同年12月17日の「国家安全保障戦略」と「新防衛計画の大綱」の評価に関しても、愛国心問題など議論の余地のある部分がいくつかあるにしても、民主党政権時代からの流れを引き継ぐものであり、総体的に理解できます。

 結局、個別の政策毎に判断すべきことであって、積極的平和主義に関して議論することは実益のあることではないことがわかりました。

(4)国際標準からの逸脱

 安倍内閣の問題点は、「積極的平和主義」というような美辞麗句を使いながら、現状では二つの点で国際標準から逸脱していることです。

 一つは、安倍総理の靖国神社参拝にみられるように、サンフランシスコ平和条約によって構築してきた戦後国際秩序への挑戦、つまり歴史修正主義の立場をとっていることです。そのことは、韓国、中国の反発に止まらず、今回初めてアメリカ、欧州、ロシアなどからも厳しい批判がなされたことで明らかです。

 二つは、特定秘密保護法に明らかなように、外交安全保障の秘密保護と国民の知る権利のバランスを取るための国際ルールであるツワネ原則に則っておらず、国連高等弁務官から批難されるくらい国際的に孤立していることです。

 国民の関心がアベノミクスに集中し、内向き志向の中で、この2点を訴求することが難しかったことは事実ですが、この点をいかにして国民に理解してもらえるかが、外交安全保障政策の鍵だと考えます。

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「民主党の進むべき道ーその2(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54702868.html)」

民主党の進むべき道ーその3

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(5)経済成長戦略を考え直す

 安倍内閣の今の成長戦略は、7年前の第一次安倍内閣当時の政策の焼き直しに過ぎません。民主党政権時代の成長戦略も内容的に大きな違いはありません。

 経済を成長させるのは、あくまでも民間経済主体です。そろそろ、政府主体の政策で経済を成長させることができるという幻想を捨てるべき時期ではないでしょうか?

 2013年の経済成長の内容も、財政のバラマキによる公共事業と、消費税率引上げ前の住宅投資の駆け込み需要が中心です。

 政府は、法人税率の引下げや規制緩和によって企業の活躍の場を提供することに徹すべきで、補助金や租税特別措置などで官僚の仕事や権限を増やすことは止めるべきです。

 あえて言えば、「企業は人なり」ということで「人材」をどう育てるかが重要です。

 日本は、先進国の中では、性、年齢、障がいの有る無しなど自分の努力ではどうしようもできないことで差別されることの多い国です。この壁を打破することで、一人一人が経済活動の面でも「居場所と出番」を得られるようにすることが、人材を育てることになるはずです。

 たとえば国会議員の女性クオーター制導入、定年制の廃止、障がい者雇用の抜本的見直しなどが政策ツールとして考えられます。

 正規、非正規を問わず「同一労働同一賃金」にし、社会保険適用の差も無くします。また、配偶者控除や基礎年金の第三号被保険者問題などに真正面から挑戦すべきです。

 そして、外国からの留学生を増やし、大学や大学院卒業生には、条件付きで「永住権」を与えるなどのインセンテイヴを与えて、日本企業への就職を後押しします。日本の学生も刺激を受けて能力が高まるはずです。

 このような基礎的な社会インフラを変えていくことが、真の経済成長線線戦略であり、それは政府にしかできないことなのです。

(6)財政再建と社会保障

 日本の財政は、既に危機的な状況に陥っています。毎月発行される国債の7割を日本銀行が買い支える財政ファイナンスを行ってようやく国債の低金利を維持しているに過ぎません。

 せっかっくの消費税の税率引上げも安倍内閣の財政バラマキによって効果を相殺され、10%への引上げを見送るようなら市場からの反乱を覚悟しなければならない状況です。  

 また、経済成長のためにも財政再建が必要です。有名なラインハートとケネスの論文によれば公的債務負担がGDPの90%を超えると、経済成長率を押し下げるとの結果が出ています(推計に技術的なミスがあったものの、大勢は変わらないという評価)。

 財政再建のためには、年々自然増が見込まれる社会保障をスリム化する以外に道はありません。本当に困っている方々への社会保障給付は充実すべきですが、一般的な部分は削減するメリハリが必要です。

 給付付き税額控除を勤労促進的な生活保障制度として導入し、最低保障年金と組み合わせることなどこれまでの民主党の政策を推進する一方で、各種の自己負担はその比率を引上げざるを得ないことを国民に訴えるべきです。

 景気が良くなって税収が増えれば、財政再建は可能などという不誠実な説明が通用する事態ではもはやないのです。


※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「民主党の進むべき道ーその3(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54704802.html)」

民主党の進むべき道ーその4

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3.運動論

 野党再編の動きもみられますが、軽々に乗るわけにはいきません。過去の政党史をみるとパッとできた政党は政党の多くはパッと消えています。

 1996年以来18年間続いている民主党の歴史は、政権獲得そしてその後の大敗北も含めて貴重な財産です。民主党中心の野党再編を目指すべきであり、そのためにも、民主中道の旗を掲げ、価値観の多様性を認める穏健な保守政党として再起を期さなければなりません。

 これまで民主党を支援していただいた経済人、学者、文化人やNPO関係者など幅広いネットワークを再構築し、新しい政策の基軸を打ち出していくべきです。私の基本的な考え方は2.政策のバックボーンで述べた通りです。

 今の自民党政権の政策とは明確に異なる理念と政策を骨太に提示することでしか、国民の支持を取り戻すことはできないと思います。

 サッチャー首相が人頭税を主張して国民の支持を失い、最大のチャンスであった時の総選挙でも勝てなかったイギリス労働党が、1997年に18年振りに政権を奪還します。

 その時、「第三の道」という新しい政策理念を掲げ、「ニューレイバー!ニューブリテン!」という国民の心に響くキャッチチコピーとともに、社会の連帯を強めるためには雇用と教育こそが重要だと言う明快なメッセージが勝利をもたらしたのです。ブレア党首は選挙演説の最後を必ず「教育!教育!教育!」と連呼して締めくくりました。

 今後、多くの同志と、新しい政策理念で一致し野党再編を可能にしていくためにも、まずは政治理念と政策の中身が重要です。と同時に、有権者への訴求、パブリック・リレーションズというこれまで民主党が不得手であった分野にも人材や資源を投入すべきです。
 
 来月の党大会に向けて、準備を進めます。しかし、何より重要なことは有言実行ですから、党大会で決定されたことを実現していくための党内のガバナンスを再構築しなければなりません。非力ですが全力を尽くします。
 

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「民主党の進むべき道ーその4(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54705842.html)」

日米韓国会議員交流会議

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 1月21日(火)から超党派の日米国会議員交流会議が東京で開催されました。年に2回、ワシントンと東京で開かれ、今回が50回目の記念会議です。つまり25年間続いてきたということです。

 私も初当選以来、何度も参加させていただいており、昨年の5月のワシントンの会議にも出席しました。

 前日の20日(月)の夜の歓迎でディナーからスタートしましたが、ここでは松田岩夫先生はじめ日本側の創設メンバーの先輩方が招待されており、歴史の深さを感じました。




 翌22日(水)からは韓国の国会議員団も参加し、日米韓国会議員交流会に。こちらは、今回で16回目ですが、それでも8年間は続いているのですから大事にしていきたいと思います。

 会議は、オフ・ザ・レコードが前提なので、詳細は書けませんが、個人的には親しい間柄でも、それぞれ国を背負って参加していますから、相当厳しいやり取りもありました。

 私自身も、アメリカ、韓国の参加者とは旧知の人が多いので、さまざまな角度から意見交換ができました。

 前日の夜は、韓国議員団の歓迎デイナーもあり、お酒を飲みながら個人的に仲良くなれます。議員外交は、派手さはありませんが、継続こそ力だと再認識した次第です。




 今回、大きなコンセンサスが二つできたと思います。

 まず、何より、3か国の間で、景気の回復が最も重要であるということです。政治が安定するためにも経済は鍵です。

 そして、中国や北朝鮮との関係では、何と言っても、この3か国は「民主主義」の国だという認識の下、協力していくほかないではないかということでした。

 通訳なしで、二日間英語と言う共通言語で話し合いましたが、民主主義、資本主義という共通のプラットホームがあることの重要性を感じました。

 もちろん、現実の国際政治は、それだけで生き抜けるほど甘い世界ではありませんが、東アジアにおいては、この三つの国の政治家がスクラムを組んでいくことが基本的な条件だなと思います。

 5月のワシントンでの会議にも、可能であれば参加したいと思っています。

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「日米韓国会議員交流会議(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54714288.html)」

第186国会がスタートしました!

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 今日から150日間の予定で通常国会がスタートしました。

 天皇陛下をお迎えしての開会式の後、安倍総理の所信表明演説や麻生財務大臣の財政演説などが衆議院本会議で行われました。

 私に取りまして5回目の通常国会ですが、身の引き締まる思いで迎えました。

 まずは、補正予算案の審議、そして来年度の予算の審議が重要な課題になります。来年度予算の問題点はすでに、このブログでも指摘していますので、それをお読みいただくとして、予定されている重要法案についてコメントします。

 まずは、雇用法制の改悪です。

 民主党政権時代に雇用法制をほぼマニフェスト通りに改正できたことは、政権獲得の大きな実績でした。

 今回、安倍内閣が雇用法制を改悪することに関しては、徹底的に対抗すべきであり、連合と連携できる点を最大限生かして、非正規労働者の立場を守っていきたいと思います。

 ただし、どのような制度改正も、ある意味で予期しない副作用があるため、本来的には非正規労働者に関して「同一労働・同一賃金(含む社会保険)」のルールづくりを目指すべきです。


 二番目は特定秘密保護法関連の行方です。

 昨年の特定秘密保護法案の強行採決後、安倍内閣の支持率はかなり下げましたが、正月明けの世論調査では、結局元に戻っています。ある意味、官邸サイドの読み通りになっていると思います。

 国会によるチェック体制について、今月の超党派海外調査も踏まえて、国会に「諜報委員会」的なものを置くための国会法改正に向けた検討の場が設けられる見込みです。

 継続審議となっている民主党提出の5本の対案(閣議の議事録作成についての公文書管理法改正案が出てくる可能性があります。)に加え、行政府内の第三者的機関が役に立たないことを示すことで、政府の特定秘密保護法廃止を求めていくことになります。

 国会による監視のあり方についてが、最大の争点になりますが、すでに民主党案は示していますから、それをベースに協議をしてまとめていくべきです。反対のための反対ではないのですから、ある程度の妥協を前提として決めるべきです。

 外交安全保障の秘密保護と国民の知る権利のバランスを取るための国際標準である、いわゆる「ツワネ原則」から逸脱している現行法は攻めどころ満載です。上記のプロセスで民主党案の正当性を国民にアピールする絶好の機会だと思います。


 三番目は、公務員制度改革関連法案です。

 昨年の臨時国会終盤で、内閣人事局を設置する国家公務員法改正案は、衆議院内閣委員会の民・自・公事務者間で合意済みです。

 その中で、定年延長と再任用についての条文修正を勝ち取り、高く評価されているところでもあります。したがって、本件における民主党のリーダーシップを国民に理解してもらいたいと思います。

 問題は、この問題に関して、既に国民の関心が薄れており、昨今の官僚の天下り復活への批判も含めパブリックリレーションズには工夫の余地があります。

 さらに、税制関連法案(租特等年度改正含む)が控えています。

 消費税引上げ対策としての自動車取得税減税財源として軽自動車への課税強化を行うなど、まさに「官僚主導」の改正が多く、国会論戦の中で、最大限の反論を行うべきです。

 また、大企業の交際費非課税など、小手先の「成長戦略」は、税制をゆがめ、安倍内閣の財政規律無視の良いサンプルであるとも言えます。

 また、更なる成長戦略としての法人税率の引下げには賛成ですが、安倍内閣が課税ベースを広げる努力を行うかどうかは厳しくチェックしなければなりません。

 以上のような観点から、積極的に「責任野党」としての務めをしっかりと果たしていきたいと思います。

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「第186国会がスタートしました!(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54717983.html)」

農業政策の大転換―自民党農政の失敗に学ぶ

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(キャノングローバル戦略研究所山下一仁研究主幹)

 今日は、野党の国会議員でつくる「既得権益を打破する会」に参加しました。

 25年来のお付き合いのある、キャノングローバル戦略研究所山下一仁研究主幹が講師をだったので、何をさておいても出席しました。山下さんは農水官僚で、一時期、通産研究所RIETIのメンバーとして一緒に暴れまくっていた仲間です。

 現役時代から、彼は、農家への直接支払を主張し、農地の集約による国際競争力の向上を主張し続けていました。

 山下さんは、高い関税や減反政策で国内農業を保護してきたのに、日本の農業が衰退してきたことを自民党農政の失敗だと位置づけます。

 1960年以降、農地面積は250万haも減少。耕作放棄地は40万haにも及びます。

 コメ農政は、減反による供給減少のために5000億円の財政負担をしています。その結果、米価が高止まりして、消費者負担が6000億円増えています。1兆円を超える国民負担をした上で、米の生産は減り、水田面積は減少しました。

 諸外国とは真逆の農政がその原因であり、背景には小規模の兼業農家を保護するこで繁栄してきた農協の政治的圧力があったと分析します。

 山下さんの処方箋は以下の通りです。

 まず、関税を止め、米の減反政策を廃止し、主業農家にのみ直接支払をします。そうなると、農地の規模が拡大し、単位面積当たりの収量が増加します。

 兼業農家は、米の価格が下がりますから、自分で営農するよりも主業農家に土地を貸した方が地代で儲かります。

 主業農家も直接支払を受けられ国際競争力が増し、米の輸出も可能になりますから、十分な地代を兼業農家に払えるということになります。

 その前提として、ゾーニングを厳格にして農地の宅地転用などを禁止することが必要になります。また、耕作放棄した農地の固定資産税は宅地並みにするというペナルティーは当然必要です。

 一方、来年度の安倍内閣の農政改革は、一部のマスコミが「減反廃止」と誤解して報道していますが、まったく別の政策なのです。

 安倍内閣の政策は、まず民主党の「戸別所得補償」を廃止することと、減反補助金の内容を変更すすることだけです。

 戸別所得補償制度は、減反目標とリンクしていましたが、これを廃止しても政権交代前に戻っただけです。

 減反補助金の対象を米粉、飼料用の米生産に拡大し、金額も10a当たり8万円から10万5千円に引き上げます。主食用の米の販売収入が、今平均10a当たり10万5千円ですから、農家としては米粉や飼料用の米を作った方が明らかに特になります。

 特別な付加価値の高い米農家以外は、安易に転作にながれるよになり、その結果、主食用米の生産が減り、米価が上昇することが予想されます。

 結局、農地の流動化による大規模農家は実現できず、国民は今まで以上の財政負担とさらに高い米価の負担をしなければなりません。

 農家の平均総所得が勤労者世帯の実収入の1.2倍を超えている今、これ以上、消費者をいじめる政策をすることには反対です。

 民主党の戸別所得補償は、大改革だったので、すべての農家を対象としてスタートしましたが、次のステップで主業農家に限定することを想定していました。本当に減反政策を無くす政策を目指すべきです。


※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「農業政策の大転換―自民党農政の失敗に学ぶ(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54722081.html)」

地域の幸福を考える―都道府県幸福度ランキング

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(シンポジウムでの山田啓二京都府知事と上田清司埼玉県知事)

 寺島実郎日本総研理事長が司会をする「地域の幸福を考える」シンポジウムに参加しました。

 パネラーは山田啓二京都府知事と上田清司埼玉県知事のお二人。

 最近出版された「47都道府県幸福度ランキング」を基に、「幸福とは何か」について、真剣な議論が行われました。私にとっては、和歌山県のランキングが、気になりましたが、、、、苦笑。

 このランキングは、日本総合研究所と日本ユニシス総合技術研究所が、昨年から始めたもので、幸福度を客観的な指標で表す挑戦です。

 基本、健康、文化、仕事、生活、教育の6分野で合計60の指標を作っています。

 ブータンは前の国王が、GDPを高めることではなく、国民の幸福度を高めることを政策課題にしました。

 貧しくとも、幸福度の高いブータンは一つの国のあり方だと思います。

 一方で、価値観が多様化し、経済も成熟している日本の場合、何を持って幸福度の指標にするのかは、いろんな意見がありえます。

 しかし、60の指標を基に、おおまかに眺めると、確かにそれぞれの地域の特色も浮かび上がりますし、今後の行政の参考になることは明らかです。



 私のふるさと和歌山県は、総合ランキングでは41位でした。

 県民一人当たりホームヘルパー数は1位。産科、産婦人科医指数は10位なので、医療・福祉分野では2位になっています。一方、健康診査受診率は45位、平均寿命は43位と残念な数字です。

 持家比率は6位ですが、汚水処理普及率と道路整備率は46位。一人暮らしの高齢者率も39位で、生活面の指標は45位です。

 教員一人当たり生徒数は10位ですが、不登校児童生徒率は46位、学力は39位、書籍購入額は47位。トータルの教育の指標は40位となっています。

 これからの和歌山県の課題が浮かび上がっています。これを克服するために県民一体となって努力していけばよいと思います。

 その一方で、NPO認証数は8位ですし、地縁団体数も13位。製造業労働生産性は3位の上、障がい者雇用率は12位です。

 和歌山県ならではの、良い特色には誇りを持っていいのではないでしょうか。

 何はともあれ、各都道府県の立ち位置が透明になることで、競争が起きることに期待したいと思います。

 なお、このシンポジウムの中で、海運の流れが太平洋航路から日本海航路に変化し、日本海側の港湾が発展するとともに、太平洋の港湾から日本海を結ぶ高速道路の整備が進んでいるし、さらにこのトレンドを振興すべきとの議論が提起され、目からウロコの思いがしたことを付記しておきます。

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「地域の幸福を考える―都道府県幸福度ランキング(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54726235.html)」

ミニトマト「優糖生」

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(ミニトマト「優糖生」)

 和歌山県は果樹王国です。都市部の和歌山市内でも野菜の宝庫です。地元の生姜で作る、生しぼりジンジャエールは大好評。このブログでも紹介しました。

 今週末、和歌山市内の応援団から、美味しいミニトマトを送ってもらいました。『優糖生(ゆうとうせい)』と言うブランド名です。

 「最低でも糖度は8.0度もある和歌山県日高郡印南町が誇る甘~いミニトマトです。その糖度に加え、トマト本来の酸味と濃厚な味わい。素晴らしいミニトマトです。めちゃめちゃ甘くてほんまにビックリします!!」というのが、JAみなべいなみのキャッチフレーズ。

 確かに、食べてみると、しっかりしたトマトの味の上、ものすごく甘いのです。まるで果物のようです。

 調べてみると、さらに、最低糖度8.5度という『赤糖房(あかとんぼ)』というブランドもあるそうです。こちらは糖度が高く、房採り出荷ですので鮮度も非常に高いのが売り。優糖星、赤糖房はJAのブランド名ですが、正式な品種名は『キャロルセブン』。

 和歌山だけではなく、全国で、このような品種改良が行われ、国際競争力のある農業が育っているのだと思います。競争さえすれば、日本の農業の未来は明るいと確信しました。ほんまに、美味しいミニトマトですよ!

 JAみなべいなみでは、tomato-ume(トマト梅)という商品も開発し、お土産品のグランプリを取りました。

 最高の南高梅を、ミニトマト「優糖生」の果汁で漬け込んだ一品。私も食べたことありますが、ほとんどデザートの感覚ですね。

 どの商品も、インターネットで買えますから、皆さん、ぜひ一度、トライしてみてください。

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「ミニトマト「優糖生」(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54730300.html)」

和歌山トライアンズ

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(ノーリツアリーナでの和歌山トライアンズの試合風景)

 この週末は、街頭演説やら、若者とのミニ集会やら、いつも通りの地元活動。

 比較的、暖かい週末なので助かりました。

 そんな中でも、時間をつくって、プロバスケットの和歌山トライアンズのホームゲームの応援に行ってきました。

 日曜日は、レバンガ北海道との試合で、前半は負けていましたが、逆転して69:65で勝利。

 日本のプロバスケットリーグNBLはイースタンとウエスタンに分かれ、それぞれ6チームずつで構成されています。試合は、イースタンもウエスタンも総当たりです。

 和歌山トライアンズは、昨年廃部したパナソニックのチームを引き継いでできた地域主体のチームです。和歌山市民や地元の企業が応援していますが、伝統を引き継いでおり、現在、ウエスタンリーグで2位と健闘しています。

 今年の第89回天皇杯全日本総合バスケットボール選手権大会では、準決勝でブレイブサンダース神奈川に2点差で負けましたが、堂々のベスト4進出。来年はぜひ、優勝したいものですね。

 私も、ファンクラブのアガラ―に入っていますが、日増しにホームゲームの応援団の数が増えているように思います。子ども連れの若いカップルが多いのが素敵です。

 野球の独立リーグ紀州レンジャーズ、Jリーグを目指すアルテリーヴォに続いて、和歌山からプロのスポーツチームが元気を発信してくれています。
 
 地元にプロのチームがあって、手作りで応援できるというのは、すごいことだと思います。

 野球とサッカーは春からですが、バスケ和歌山トライアンズのホームの試合は、2月22日(土)、23日(日)とノーリツアリーナでやっています。

 和歌山の皆さん、足を運んで応援に行きましょう!!


※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「和歌山トライアンズ(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54731140.html)」

円安なのに、なぜ輸出が増えないのか?

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(吹雪の国会議事堂)

 アベノミクスの効果もあって、円安が進行してきました。もちろん、一昨年からユーロ圏のや米国の経済が回復しつつあることで、安全資産と見られていた円からユーロやドルへの資金シフトが背景にあったことが最大の原因だと思います。

 円安になれば輸出が増えるから、日本の景気は回復するという「物語」が期待されましたが、これまで輸出はふえるどころか数量ベースではマイナスが続いています。

 輸出企業の採算は円安で良くなりますし、海外の子会社の利益は円建てでは増えて見えますから、収益が回復し、株価が上がるという「物語」はその通りになりましたが、これからもそれが続くくかどうかは疑問です。

 まず、今の円安水準は、名目ならそこそこでしょうが、実質実効為替レートでみると2000年代半ばの超円安の時代よりも下回っています。1980年代の円安水準にまでなっていますから、これ以上円安になったり、円安が長期固定化するとは考えられません。

 だからこそ、円安になったからといって、海外にシフトした生産拠点を日本に戻すような経営者は、今回は見当たりません。

 2000年代半ばの超円安時の家電メーカーは国内に生産拠点を回帰させ巨額の設備投資をしました。その後、円安が修正された後、商品の競争力不足もあって、家電メーカーはたいへんな目にあいました。この時の経営判断の失敗を、他の産業の経営者は忘れていません。

 そもそも海外で生産することはコスト面からの要請だけでもなかたのです。自動車産業が典型ですが、マーケットの近くで生産する方が、市場のニーズに合わせやすいしクレーム対応も迅速にできるメリットがあるから、海外に出て行ったのです。

 円安の後、輸出が回復するまで時間がかかる(Jカーブ効果)から、まだ判らないよという人もいますが、いくら待っても輸出は回復しないでしょう。今後、新興国の景気が落ち込む予想ですから、外部環境もよくありませんし。

 日本経済にとっての問題は、円安が修正された後の輸出産業の経営者が、イノベーションを起こして国際競争力のある高く売れる商品の開発に向かわずに、賃金カットや非正規雇用の拡大などのコストカットに走ったことです。

 付加価値を上げる競争ではなく価格切り下げ競争を行い、勤労者の賃金を下げてデフレを助長したことが大問題だったのです。

 安倍内閣は、労使で決めるべき賃金水準にまで介入してベースアップをしろと言っていますが、これまでの企業経営のトレンドからして一時金はともかく、ベースアップまではなかなか難しいのではないでしょうか。

 ただし、昨年度に続く今年度の補正予算5.5兆円のバラマキなどのおかげで、公共事業主体で経済成長は底上げされています。

 財政再建を犠牲にして、次の衆議院総選挙まで、毎年、景気対策と称して財政のバラマキをするならば、失業率が下がって、賃金が上がったり、正規雇用が増えていく可能性も否定できません。

 しかし、そのことは国債金利の上昇を招き、アベノミクスの出口戦略を一層難しくさせることにつながります。

 派手さはありませんが、製造業には付加価値の高い商品への移行を促し、雇用面では、非正規でも同一労働同一賃金が与えられるような地道な政策をコツコツ行っていくべきでしょう。

 円安でも輸出が増えないことで、そろそろ目を覚ましませんか。アベノリスクについて。

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「円安なのに、なぜ輸出が増えないのか?(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54731262.html)」

アベノミスクの本質は何か

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(慶応義塾大学ビジネススクール小幡績准教授)

 今日は、慶応大学ビジネススクールの小幡績准教授との勉強会でスタート。小幡先生は、財務省の後輩ですが、クールな正統派経済学者です。マーケットにも詳しいので、ブログなどを拝読しいつも参考にさせてもらっています。

 今日は、2014年の経済や金融市場の見通しに関して、意見交換しました。

 小幡先生の見立ては、2014年は停滞と退屈の年。財政赤字や貿易赤字のリスクは溜まっていくが、何とか持つのではないか。問題はむしろ2015年だということです。

 また、日米の金融当局は市場におもねらないので、あくまでも実体経済を中心に政策を展開するだろう。今の市場の乱高下はマーケット参加者の自作自演だと冷静な分析をしていました。

 その中で、アベノミスクへの評価と言う点で意気投合しましたので、ダイジェストしておきます。

 第1に、リーマンショック後の行き過ぎた悲観論に対する「ショック療法」としては、成功したことを認めます。過度な円高の修正と、安過ぎた株式市場の修正は評価すべきです。

 株価については、16兆円の外人投資家の買い越しと、日本の機関投資家6兆円、個人投資家9兆円の売り越しによってできた高値なので、どう評価するかは別として、ショックを与えたことは認めるべきでしょう。

 第2は、アベノミスクは、要すれば「ポピュリズム」であり、コスト先送りの金融政策と需要先食いの財政政策ならば、目先は誰も困りません。その「時間稼ぎの間に、第3の矢の成長戦略」とは言ううものの、規制改革も不十分で、その効果は不透明です。

  第3は、「日本を取り戻す」というスローガンの通り、これまでの古い投資主体や経団連的な輸出主体の製造業、さらには賃金アップの恩恵を受けられる大企業の正社員といった、既得権益への利益誘導だという点です。

 新しいイノベーションを起こして、日本の産業構造を変えるのではなく、これまでの経済主体の寿命を10年伸ばすことが目的化しています。

 確かに、短期的な政策としては効率の良いやり方かもしれませんし、選挙対策上も賢明なやり方でしょうが、財政赤字と貿易赤字のリスクが高過ぎます。

 魔法のような成長戦略を政府が行うことが難しいという「不都合な真実」を直視して、まずは財政規律を取り戻すことが、アベノリスクの高まる2015年対策なのではないでしょうか。

 

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「アベノミスクの本質は何か(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54734979.html)」

民主党の党大会―ハウステンボス澤田秀雄社長講演

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(民主党の党大会で基調講演をするハウステンボス社長の澤田秀雄さん。)

 2月8日(土)、9日(日)の二日間、福島県郡山市で民主党の党大会が開催されました。

 東日本大震災の復興、特に原子力発電所の被害を受けた福島の復興が最重要な課題であるとの思いで、今年の党大会は福島の地が選ばれました。

 初日の土曜日は、憲法調査会など6基本調査会を基に勉強会が持たれ、夜はハウステンボス社長の澤田秀雄さんの基調講演を聞きました。

 翌日曜日は、従来通りの党大会が開催されました。

 澤田社長は、旅行会社のH.I.Sの創業者(現会長)で、有名なアントレプレナーですが、企業再生の名人でもあります。18年間、赤字続きのハウステンボスをあっという間に黒字転換し、長崎県の雇用の活性化に貢献されました。

 企業再生と政党の再生とは同じものではないでしょうが、澤田社長のお話は大いに参考になりました。

 私は、10数年来、勉強会を通じて澤田社長にご指導をいただいており、昨年もハウステンボスに澤田社長を訪ねたばかりでしたが、正面切ってハウステンボスの再生話を聞いたのは初めてで、感動しました。

 18年間赤字続きでボーナスも出ない会社の社員は、いわば負け癖がついていたのだそうです。

 そこで、澤田社長は社員の皆さんに三つだけお願いをしたとのこと。

(ハウステンボスの園内)

 まず、「始業前の15分間で良いので、掃除をしてください。私も掃除します。」とおっしゃった。これまでの経験で、良い会社はすべてきれいだという確信があったそうです。

 次は、業績が落ち込み、失敗が続くと、どうしても暗くなって自信を無くすので最悪の循環になってしまうので、「ウソでも良いから、明るく元気に!」してくださいと。

 最後は、「2割経費を下げて、2割売り上げを増やしましょう。」と。

 ハウステンボスは、過剰設備投資だったので、敷地の3分の1をフリーゾーンにして、お金の取れる場所を小さくして効率を高めたそうです。社員さんで経費カットに貢献できない方には、「園内では、少し早く歩いてください。」とお願い。敷地が広いので、早く歩くだけで経費節減になります。

 売り上げ増は、「花の王国―百万本のバラ園」で、冬は、「光の王国ー世界一のイルミネーション」で、オンリー1、ナンバー1戦略。入場者は1.5倍に。

 確かに、オンリー1戦略やナンバー1戦略、さらには、「ウソでも良いから、明るく元気に!」は、政党の埼栄にも使えるかもしれません。

 しかし、感動したのは、澤田社長の誠実なお人柄や生来の明るさが伝わってきたことです。話しの中身もさることながら、リーダーとしての人間力が再生のキーポイントだなと理解しました。

 リーダーも重要ですが、フォロワーがリーダーを育てる部分もあるでしょうから、党大会の基調講演としては意義深い者でした。

(大雪の郡山市内) 



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「民主党の党大会―ハウステンボス澤田秀雄社長講演(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54738625.html)」

霊現寺の厄除け行事

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(霊現寺の厄除け行事)

 和歌山市内の霊現寺では、毎年2月上旬に、厄除けの行事が行われます。

 住職の佐古敬造先生のご指導の下、修験者が護摩を焚き、火渡りの秘術を行います。毎年、修験者さん達も必死の思いで火渡りをされていますが、時には足にやけどをされることもあるそうです。

 確かに、横で見ているだけでも迫力満点ですから。

 その後、安全な状態にしてから、老若男女が歩いて厄除け祈願をします。

 毎年、大勢の信者さんが参加されます。

 その後、恒例の餅まきをしますが、厄除け祈願をした方々に加え、和歌山市内から大勢の市民が参加。規模はおそらく和歌山市内では最大の餅まきだと思います。

(やぐら二つを使って、総代さんと一緒に餅まきをします。)

 お餅の量も半端ではないので、餅まきの翌日は筋肉痛になるほどです。

 参加者が多くても、お餅が多いので、皆さん、用意したビニル袋一杯のお餅を持って帰られます。

 それでも、転んだり、お餅が直接頭に当たったり。けっこう危ないところもあります。

 投げる方も、背広の上から法被を着ても、お餅の白い粉で背広の上下が真っ白になります。

 毎年、投げていますので、常連さんからは、「岸本先生、こっち、こっち!!」とか、「周平さん、こっちにも投げてやあ!」と声がかかります。

 公平を旨とはしますが、声がかかればついそちらに投げてしまうのは人情ですね。

 霊現寺の厄除けが終わると、一冬を越した気分がいたします。

 まだ寒い日が続くと思いますが、後は、「春よ来い!」との思いで過ごします。





 

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「霊現寺の厄除け行事(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54738760.html)」

第48回スーパーマーケット・トレードショー2014

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(スーパーマーケット・トレードショー会場の和歌山県ブース)

 今日は、東京ビッグサイトで開催中のスーパーマーケット・トレードショーに行ってきました。毎年、会場内の和歌山県ブースの出店企業の応援に行ってます。

 今年は、18の事業者や農協が出展し、ブースも大きくなっていました。毎年、和歌山県の食品産業のパワーがアップしていくのを見てきています。

 県庁も早い段階からバックアップ体制を取っており、成功事例の一つと言えます。

 比較的、紀南地方の参加者が多いのですが、和歌山市内からは「世界一統」さんが、梅だけではなく、桃、柚子、甘夏、八朔、苺などの和歌山県産の果実を使ったリキュールを出品されていました。ストレート、ロック、ハイボールなどの他、凍らせてシャーベットにしてもおいしいそうです。

(「世界一統」さんの展示の前で記念撮影。)

 すさみ町のイノブタのハムや、高野山のゴマ豆腐などの食品もあって、各展示で試食していくと、けっこう満腹になりました。「ごちそうさん。」でした。

 同時開催の「デリカテッセン トレードショー2014」では、和歌山県のスーパーマーケット「オークワ」さんの「太刀魚串」が「地産地消特別賞」を受賞。和歌山の食材太刀魚を骨抜きした素材で勝負したのが良かったそうです。

 昨日から明日までの3日間の日程で、行われていますが、すごい人出でした。

 和歌山県の食品産業の底力を痛感しさせていただきました。

(「デリカテッセン トレードショー2014」で「地産地消特別賞」を受賞した「太刀魚串」。)



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「第48回スーパーマーケット・トレードショー2014(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54742570.html)」

中央大学大学院の集中講義

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(中央大学市ヶ谷田町キャンパスからの雪景色)

 中央大学大学院の客員教授として、集中講義をするのは今年で9年目。

 仕事柄、冬期の集中講義にしてもらっています。今日と明日の二日間、朝から晩まで缶詰でゼミをやります。

 1996年にプリンストン大学で教鞭を取ってから、帰国後も、埼玉大学経済学部、同大学院を経て、中央大学の大学院で教えています。

 官僚時代も、落選中も、議員になってからもずーと二足のわらじを履いています。最近は論文を書くことはできなくなりましたが、アカデミックな環境と、若い学生さん達との交流が知的な刺激を与えてくれます。

 今年は、ハーバード大学のニーアル・ファーガソン教授の「劣化国家」と北海道大学の中島岳志准教授の「リベラル保守宣言」を講読するゼミです。

 それぞれ、過去のブログで紹介している本ですので、参照していただければ幸いです。

 私自身、政治家として大きな壁にぶつかっている現状を打破するために、必死の思いで読み込んだ二册です。今の時代に真っ正面からアドレスしている本だと思います。

 歴史修正主義に陥り、ほんとうの保守主義から逸脱している安倍内閣への警鐘を鳴らさなければと考えていますが、野党の力不足で国民の共感を得られていません。

 国のあり方も、これまでのような政府主導のやり方が機能しなくなっていることにどう対応するのか、難しい課題です。

 そんなことを学生さんたちと自由に議論する場は、とても有り難い機会です。

 もっとも、今日は大雪の影響で講義は午前中のみ。午後は学生を早く帰らせるため休講にしました。

 私の方は、衆議院の本会議が入ったので、午後は国会に戻りました。

 明日は教師に戻って、朝から晩まで、じっくりと講義します。





※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「中央大学大学院の集中講義(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54744045.html)」

岸本周平を囲む新春の集い

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(岸本周平を囲む新春の集い)

 この週末には、中央大学大学院の集中講義が終わりしだい和歌山に戻り、地元活動に。

 その中で、個人後援会の一つである「周平会」の皆さんに、毎年恒例の「新春の集い」を開いていただきました。

 利権もなければ見返りも何もない、ただただ「岸本周平を信じて応援」してくださる皆さんの集まりです。

 落選中から、私を政治家として育ててくださった、「岸本周平党」の皆さんには感謝の思いでいっぱいです。

 4年間の浪人時代を支えていただき、2009年に初当選後も党派を超えて応援いただきました。

 2012年の逆風の選挙にも生き残れたのは、このような党派を超えて個人で応援して下さる皆さんのおかげです。

 私自身、価値観の多様性を認める穏健な保守政治家、いわゆるリベラル保守の政治家を目指しています。

 このような信念で、政治活動ができるのも草野の根の応援団のおかげだと感謝の気持ちを忘れないようにとの思いを再確認した一日となりました。

 

※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「岸本周平を囲む新春の集い(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54746888.html)」

エルトゥールルが世界を救う!

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(NPO法人エルトゥールルが世界を救うのHPから転載)


 今日は、「NPO法人エルトゥルールが世界を救う」主催の講演会が開催されました。

 「エルトゥールル」とは、トルコの軍艦の名前です。

 1890年9月16日、トルコの軍艦エルトゥールル号和歌山県串本町大島沖合で台風のため沈没。乗組員618人全員が暴風雨の海で難破。当時の串本町の町民が献身的な救護活動で、乗組員69人の命を救いました。村中の食糧を供出するとともに、遺体は棺におさめられ、丁重に埋葬されました。

 トルコでは、この物語が伝えられ、親日的な国になっていきます。トルコ政府は、その時の恩返しと1985年のイラン・イラク戦争時にテヘラン空港に取り残された日本人をトルコ航空機で救出。自国民は陸路の脱出となりました。

 このような時空を超えた民族間の美談が、日本では埋もれたままになっていました。

 「NPO法人エルトゥールルが世界を救う」の努力で、日本・トルコ合作で映画化されます。メガホンを取るのは「利休にたずねよ」でモントリオール世界映画祭受賞の田中光敏監督。

 今日の講演会は、田中光敏監督の「映画プロジェクトを語る」でした。

 私も発足以来のNPO法人エルトゥールルが世界を救うの会員です。会長の浦聖治さんはじめ関係者の皆さんの並々ならぬご努力で映画化が進んでいます。

 和歌山県以外の方々は、案外、この物語をご存じありません。トルコが世界で一番親日的なのは、エルトゥールル号のおかげです。

 今年の夏、クランクイン、来年の公開予定ですが、今から、楽しみですね。




※この記事は、下記の岸本周平公式ブログからもご覧いただけます。
「エルトゥールルが世界を救う!(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54752351.html)」

薬師寺での勉強会

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(南海電鉄和歌山市駅前での早朝街頭演説)

 昨日は南海電鉄和歌山市駅前での早朝街頭演説の後、奈良の薬師寺に行ってきました。

 寺島実郎戦略経営塾の講義が、薬師寺で開かれるとのことで参加するためです。

 和歌山からは、南海電車で難波に出て、近鉄奈良線で西ノ京駅下車、2時間弱の行程でした。

 まずは、参加者全員で境内の見学。金堂で、薬師三尊像にお参りしました。そして、現在、国宝の東塔が解体修理中で、三重の塔のトップに取り付けられている「水煙」が地上に降りているのを拝観しました。

(4枚ある「水煙」の一つ)

 4枚の水煙には、24体の飛天(天人)が透かし彫りされています。「凍れる音楽」と評される、美しいものです。本来、塔の上にある時には、肉眼でここまで詳しく見ることはできません。

 修理の後は、何百年も地上に降りてこないものですから、たいへん貴重な機会をいただいたことになります。

 その後、薬師寺の法相宗の教学をインドに求め、17年間の旅の末に経典を持ち帰った玄奘三蔵法師の遺骨をおまつりしている玄奘三蔵院伽藍にお参りしました。

(玄奘三蔵院伽藍入り口)

 玄奘三蔵法師は、孫悟空の登場する西遊記の主人公であることは皆さんご存知の通りです。

 その寓話の通り、艱難辛苦の17年間の旅ですから、出発前に、志を遂げなければ二度と故郷の中国(インドに対して東)に戻らないとの決意を「不東」としたためた玄奘三蔵法師。

 それが、高田好胤元管主の筆で伽藍の正面に掲げられていました。

(玄奘三蔵院伽藍)

 実際の講義は、寺島実郎先生の講義と、山田法胤管主の講義を聞かせていただきました。

 山田法胤管主は、厳しい修行を経てこられた方だけが持つ、突き抜けた暖かさを持つ好々爺でした。

 「今日の機械文明は神や仏が造ったものではない。全て人間画開発したものである。ところが、その張本人である人間とは何者かということの探求が十二分にされていない。科学者も仏陀から見ると凡夫(愚者)である。」と、「経済成長、合理主義、原子力」などへの懐疑を説かれていました。

 お話の内容もさることながら、山田法胤管主の人間力に圧倒された一日でした。





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「薬師寺での勉強会(http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54754900.html)」
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